小説

骨身に沁みる(途中)

 ※めちゃくちゃ途中です…書きたいとこだけ…  それはあたかもふいごのようで。 口付けのたびに淡く燃え立つそれ。そろ、とぬるい息を舌に乗せてあなたの肺腑に注ぎ込めば、うだった青が膨れてはパチンと弾け、弾けてはゆらりと膨れた。夢みた…

真っさらに滲みひとつ

 くふ、と甘ったるくて生温い吐息が漏れる。ほんと、こんな青っちろい口から漏れたなんて信じられないくらいのやつ。恥ずかしさに下唇を噛んだらそろ、と熱い舌で舐められた。あ、もう、いい加減にしよって言ったのに。ばか。 んふふって、今度はまたなんと…

明日弾けるは泡か実か?

 遠く、冗長に、四つ叩かれる鐘の音。この茹だるような暑さの中では音の響きさえもぼんやりと溶けてしまう。そんなこと海ではありえないのにな、と浅く息を吸った人魚、アズール・アーシェングロットもぼんやりと思った。 この学び舎に迎えられて一年足らず…

運命

「——運命?」 コロコロと手の内でくすぶっていた賽が、思いもよらず指の隙間から転げ出た。「だとは思いませんか?」 目の前の彼はそれに一瞥もくれずに笑っている。いつもの営業スマイルよりかは屈託のない方ですな、なんて。言葉にしたらまた、可愛げの…

一等青い価値

  この世のものは海陸問わず、「利用できるもの」と「利用できないもの」とに分かれている。   「まあ、僕の慧眼を持ってすれば大抵のものは扱えますが」 自負を口にすれば、向かいに座る彼がフヒヒッと奇妙な笑い声を漏らす。「流石アズール氏。拙者も…