目次
0.注意書き
6章前編配信時点での「オルト・シュラウド」って何?をひたすら勝手に捏ねくり回しまくった人間の妄言になります。本編、イベント、パーソナルストーリーのネタバレ多々あります。食い違いも多々あるかもです。読みにくいので断定の文章にしてますが当然ながら全部幻覚です。それでもよろしければお付き合いください。
1.”メモリー”とは何か
オルトが度々口にし、大切に保存し、欲している”メモリー”とはいったい何だろう? それはただライブラリに収められる、無機質な記録のことではないだろう。
ツイステの作中では、”メモリー”と振り仮名を振られた語句が2つある。
>一つ目は本編中のゴーストカメラの説明より
クロウリー「被写体の姿だけでなく、魂の一部をも写し取ることができるのです。」
デュース「魂の一部……?」
クロウリー「『記憶の断片』(メモリー)とも呼ばれています。」
>もう一つはイベント「星に願いを」イデアPSより
イデア「(……オルトがあの祭りに真剣なのは
拙者の願いを叶えたいから)」イデア「そして、”今の”オルトと僕の
思い出(メモリー)を増やしたいからだ)」
前者のキーワードを繋げると
「魂の一部」=『記憶の断片』=”メモリー”
すなわちツイステッドワンダーランドにおける”魂”とは”記憶”と同義と考える。
こう仮定すると、後者の”メモリー”についてのオルトの願いの切実さがぐっと増して胸に迫ってくる。『今の』自分と兄との本物の”思い出”が欲しいオルトは恐らく、自身の本物の”魂”を欲しているのではないだろうか。
2.ゴースト嫌いの理由
「実は僕、ハロウィーンのこと
そんなに大好きってわけじゃないんだ。」「だって、相手はゴーストだよ?
遠慮する必要なんてない!」
イベント「スケアリーモンスター」においても存分にゴースト嫌いを発揮していたオルトだが、一体なぜ彼はそこまでゴーストを厭うのだろうか。
直接に理由を言及しているのは下記のアーキタイプギアからのホームボイスのみである。
「ゴーストとは仲良くなれない気がする。
だってあいつら実体もないくせに僕を馬鹿にするんだもん!」
これを聞いた当初、オルトも同じ魂だけの存在なのに実体を持っている姿が滑稽で、ゴーストらはオルトを馬鹿にしたのかと思っていた。
しかし「実体もないくせに」というオルトの反発への引っ掛かり。
またイグニハイドギアより、オルトはゴーストではなくAI人格に乗った存在であり、ソフトウェアの一種であることがホームボイスから聞いて取れたこと。
以上により、ゴーストはオルトに対し「中身=魂」がないくせに「入れ物=実体」だけある姿を馬鹿にしたのかもしれない。
3.”魂”のデータ化
>イベント「ゴーストマリッジ」より
「ゴーストというのは、強い”未練”によって
この世に引き留められている存在。」
ここからの話はさらに幻覚濃度が酷くなるが、幼い頃に人間でありイデアの弟であった《前の》オルトが死んだと仮定する。
ひとりぼっちの兄に”未練”を抱いた弟はゴースト——魂だけの存在でイデアの元へと帰ってくる。それをイデアは幸か不幸か、愛した弟を”蘇らせる”方法を思いつき、実践できるだけの技術があってしまった。
その方法がシュラウド兄弟のSSRカードの背景、冥府のコンセプトアートに描かれている——0と1のバイナリ値にまでデジタルデータ化された人の魂である。
“魂”をデータ化……? と聞くと漠然としているが”記憶(メモリー)”をデータ化すると言い換えれば、ストンと色々なことに得心がいく。
《前の》オルト・シュラウドの”魂”
↓データ化を経る
『今の』オルト・シュラウドの”メモリー”
として生まれ変わったのであれば、彼らが互いへの思い出を連続させて持っていること。なのに《前》と『今』のオルトの存在を互いに明確に分けられている、この認識のチグハグさにも納得できる。
「せ、拙者と違ってオルトは素直で明るくて人見知りもしない。今のオルトもその性格は継承して……」
イベント「星に願いを」より、「一緒」という意味でなくわざわざ別個の存在であることを匂わせる「継承」という言葉の選び方も、”記憶”を受け継いだ結果『今の』オルトがその性格になった、という成り立ちからかと思われる。
「兄さんに作られてすぐの頃、僕は人間らしい振る舞いがうまくできなかったんだ。」
このおめかしギアオルトPSにより、『今の』オルトの感情——自我の芽生えが後発的なものであったことが判明した。
《前の》オルトの”魂”から受け継がれた”メモリー”によるデータベースを元に、機械学習を重ね自己の性格のモデルを獲得した存在が、AI人格である新たな「今のオルト・シュラウド」なのだと私は考える。
4.”本物のメモリー”への欲求
オルトは胸中に2つの「欲求」を抱えている。
>一つ目はイベント「星に願いを」オルトPSより
「僕の願い……僕の欲望……」
「それが”兄さん”なんだ。」
「兄さんの願いが叶うことが
僕の一番嬉しいことなんだよ。」
>二つ目はバーストギアオルトPSより
「僕が欲しいのは、”今”の僕と兄さんの本物のメモリーなんだ。」
「だから今しかできない……ナイトレイブンカレッジらしい
行事に兄さんと一緒に参加したくって。」
兄によって作られた身体にインストールされたAI人格である「オルト・シュラウド」は、成り立ちや性質から非常にアイデンティティが危うい存在である。それでも多くのAIには持ち難い自由意志を彼は確固として持っている。それを支え成り立たせるだけの2つの欲求は、人の持つ欲求よりもずっと強く重たい「願い」だろう。
前者の「兄の願い、兄の幸い」は彼の生まれた理由、”メモリー”に刻みこまれた未練そのものだ。
後者の「”今”の僕と兄さんの本物のメモリー」は自分の本物の”魂”が欲しいという生物的な、自己保存の欲求である。
この2つの欲求が互いに衝突を起こしてしまった出来事がイデアとオルトの「式典服PS」である。
オルトの存在の根幹を支える願いである「兄の幸い」が、「兄との”メモリー”が欲しい」というオルト自身の抱いた願いとかち合ってしまった。
物語の発端は”本物のメモリー”を獲得したいオルトであったのに、最後にグリムと会話を終えた際にはむしろ手元に抱いていた”本物のメモリー”……自身の魂の一部すらを記憶から消去する顛末となった。
彼はこれからも、自己の獲得よりも自身の在り方——「兄の幸い」を常に優先し、生きていくのだろうか。
5.イデアはオルトをどう愛していくのか
この「式典服PS」のアンサーがイベント「星に願いを」です。もう特に語ることはないです。『今の』オルトと本物の”メモリー”を形作ってゆく兄。「オルトの願い」を願うイデアと「イデアの願い」を願うオルト。はい、これが全てです。最後には愛が全て。頼むぞ、6章。ほんと頼むぞ。愛は救済。
乱文にここまでお付き合いくださりありがとうございました。6章、生き延びようね皆。
Log : 2021.12.24